所 信 

−はじめに−
1949年に日本での青年会議所運動が始まりました。そして、1966年に山鹿の地で始まった青年会議所の運動は、本年新たな1ページを刻むべく動き始めました。「明るい豊かな社会」の実現を理想とし先輩方はこの地域に大きく貢献されてこられました。そして、今私たちは、先輩方からのバトンを受け継ぎ、後に続く後輩たちへ渡していかなければなりません。この地域にどのような貢献ができるのか、問題意識をしっかりと持ち取り組んでまいります。
現在、日本は様々な問題を抱えています。東日本大震災等の自然災害の発災、原発問題、近隣諸国との領土領海問題、憲法、政治、経済、社会、日常生活に至るまで多種多様に山積しています。勢いに後押しされた高度成長期の時代とはだいぶ様変わりし、近年は長きに渡る景気低迷、人間関係やストレス等に誰もが疲れ、いろいろな意味で余裕が持てなくなり、「自分がやらなくても誰かがやるだろう」、「自分には関係ない」といった個人主義の傾向が年々強くなりつつあるように感じます。ですが問題を抱えるのは、現代の我々だけではなかったはずです。昔も今も、その時を生きる人たちは、その時の様々な問題を抱えながら、真剣に向き合い、猛然と取り組み、その時代を生きる責任を果たしてこられたと思います。
私たちは、今の責任世代の義務を果たさず権利ばかりを主張していないでしょうか。我々にできること、しなければならないこと、守るべきこと、変えなければならないことを考え、決して傍観者ではなく自分たちの事として捉え、自分たちでできることは自分たちでやるということが、今を生きる私たちの責任だと思います。
「和を以て尊しとなす」この言葉は聖徳太子が制定した「憲法十七条」の第1条の冒頭に出てくる言葉ですが、ここでの『和』というのは自分の意見と違う人たちと波風を立てずに妥協し、調和することではありません。『和』の本当の意味は、協調、親睦の気持ちを持ちながら、自分に正直に自分を裏切らないということであり、不平不満があれば、正直に表現しぶつけ合う、その中で妥協ではなく、お互い歩み寄り理解していくことが『和』であるということです。
我々(社)山鹿青年会議所は20歳から40歳までの青年の団体です。青年である自分たちに何ができるのか。青年だからこそできる!ということを見出だし、「明るい豊かな社会」を築いていく為にメンバーと共にしっかりと当事者意識を持ち、なれあいではない『和』を以て行動してまいります。

みらいづくりの『和』−
我々が住む地域、我がふるさとの発展を願わない人はいないのではないでしょうか。遠く離れていても、ふるさとは忘れられない自分の原点だと思います。近年、山鹿市の人口や世帯数は様々な要因があり減少傾向にあります。この問題を解決するためには、何が必要でしょうか。また、地域に暮らし続けていくにはどの様なものが求められるでしょうか。先ずは、しっかりとしたまちづくりのビジョンを持つことだと考えます。そして、私たちの地域の為に行動し、地域との連携を図り絆を深め、地域の活性化に繋がるように取り組まなければなりません。それには、官民一体となって取り組みを行う事も地域のまちづくりには必要なことだと考えられます。その為に、行政の方々と連携を図りながら、地域の為の政策は進んでいるのか、自分たちが考えていくべきことはなんなのか、市民全員が政治や行政に関心を持ち、この地域の当事者であることを認識して、まちづくりに生かしていくことが大切です。
私たちは、これまで2回のローカルマニフェスト型公開討論会を行ってまいりました。その際、市民の皆様からたくさんのご意見を頂きました。そして、本年も一つの区切りがございます。本年、我々(社)山鹿青年会議所は事業を通じて市民一人ひとりがこの地域の発展を真剣に考えて頂けるような情報提供の場を作ります。市民のみなさまとともに考え明るい未来の『和』を創造してまいります。

−まちづくりの『和』−
私たちの住む山鹿地域には魅力的な観光資源がたくさんありますが、その中で代表的なものが2つあると思います。1つ目は、私たちの先輩方が復興に尽力された国指定重要文化財の「八千代座」です。2つ目は、解体から38年ぶりに山鹿温泉のシンボルとして復活した「さくら湯」です。この2つの核を中心に観光に訪れる方々を心からおもてなしする時の第一歩として、地域をキレイに保つことは必要不可欠なことだと考えます。
その為にも、本年は、キレイなまちづくりを目指す運動を展開していきます。ゴミやタバコのポイ捨てをしない等簡単なことですが、まちの中を見てみると中々出来ていないように感じます。自分の家の中にゴミをポイ捨てする人はいません。市民の皆様の協力を得ながらいろいろな団体の青年同士の繋がりを持って、おもてなしの機運を高めていけば観光地山鹿をもっと盛り上げていけるはずです。キレイなまちづくりを目指し、ゴミのポイ捨てをしない、落ちているゴミを拾うという心を育みながら、地域をキレイにするというおもてなしを行います。観光地山鹿を自分の家と思えるような人の『和』を広めてまいります。

−まつりの『和』−
山鹿には全国に誇れる山鹿灯籠まつりがあります。この伝統ある山鹿灯籠まつりに先輩たちは、八千代座等あらゆる角度から携わってこられ、近年は大宮参道にて事業を行い、山鹿灯籠まつりの本義である上がり燈籠をもっと知っていただけるように毎年新しい工夫を模索されてこられました。
伝統を次の世代に託す為にも、より良いまつりにしていかなければなりません。小さな変化からであっても、一つひとつの事から変えていけば後世に残せる更に魅力のあるまつりが出来上がっていくと思います。これまで午前0時から奉納されていた上がり燈籠は、4年前に午後10時から奉納されることになりました。それにより、各町内から上がってくる宮造り等の様々な燈籠を、より多くの方々に見ていただけるようになりました。また、昨年はこれまでとは違い山鹿灯籠まつり全体を自分たちの足で歩き、観光客の方にまつりの魅力を伝えることができるように、「お祭り案内人」となって観光客の方の目線でまつりの雰囲気を肌で感じるとともに、たくさんの方々とのふれあいの中で多くの気付きを得ることができました。
新たな発見と、これまで受け継いできた山鹿灯籠まつりを次の世代に伝え、上がり燈籠を核にした新たな取り組みを行いたいと思います。これまで地域の文化として愛されてきた山鹿灯籠まつりが次世代に永久(とわ)に受け継がれ、このまつりを通して地元を愛する人が増えていくように、我々がまつりの『和』を繋いでいきます。

−ひとづくりの『和』−
私たち青年会議所が目指すのは、明るい豊かな社会をつくることです。その目標を達成するために、そこに住む人を知ること、ふれあうことが大切であり、そこに住む人々の和が必要になると考えます。その為にも子どもや高齢者や心身に障がいのある方々が、地域社会の中でいきいきと安心して暮らせる社会が求められると思います。
社会的立場の弱い方たちに、自然にそっと手を差し伸べることの出来る「誰か」がたくさんいる地域は素敵だと思います。私たちはその「誰か」にならなければなりません。たとえ、小さなところからでも、少しずつ行動していくことが、とても意味のある大切なことだと思います。
そのために本年は、青年会議所メンバー一人ひとりが当事者意識を持ち、人を思いやる心が育めるような学びを行います。地域のひとづくりに貢献できるように子どもや高齢者や心身に障がいのある方とふれあい、交流の『和』を創造する事業を行ってまいります。

−仲間づくりの『和』−
私たちは、自分たちの会費を持ち寄って1年間の単年度制で事業を行っています。少しでも市民の皆様のお役にたてるような事業を行うために、各々の仕事が終わった後に集まり、遅くまで議論を重ねています。何が地域のためであり、何が市民運動につながるのかを知恵を出し合い、青年の自由な発想を持って事業に取り組んでいます。時には、見解の相違からぶつかる事もあります。しかしそれは、なれあいではなく真剣に向き合えるからこそできるのだと思います。そして、みんなで考えて取り組んだ事業が終わると達成感から、涙を浮かべ抱き合うことができます。そういう熱い思いを共有することで大人になっても仲間を作ることができ、生涯の友を得ることができるのだと思います。この繰り返しが、自分たちの修練となり地域に、職場に、家庭に恩返しをしていけるのだと思います。なにより、青年会議所運動を行っていくには、家族や職場の方々のお力添えがあって、成し得るものです。そのことに感謝するとともに、本年は青年会議所運動が自分の為、家族の為になり、未来の地域をともに創造できるような仲間の『和』を拡げていきます。

−組織づくりの『和』−
これまで、青年会議所運動を行う中で社団法人として公益性を重視した事業に取り組んでまいりました。そして本年、公益社団法人制度改革にともない新たな組織体へ移行します。今まで取り組んできた経験をもとに更に地域に根差し、まちづくりに貢献できるように、青年会議所運動を展開していきます。その為にも、総会に始まり、毎月の例会や各委員会の開催など組織の運営に注力してまいります。更には、開かれた青年会議所を目指し、地域のみなさまに情報公開を行い、確かな『和』のある組織を作り上げてまいります。

−最後に−
私たちは、これまで先輩たちの培ってこられた礎のもとで、現在の青年会議所運動ができています。その事に感謝と敬意を払い、「修練」「奉仕」「友情」の三つの信条のもと今自分たちができる事をしっかりと考え行動し、市民の皆様のご理解とご協力を賜りながら、前に進んでいく所存です。助け合いの心を持って出てくる『英知』、困っている人たちへ手を差し伸べる『勇気』、当事者意識を持って行動する『情熱』を結集し、(社)山鹿青年会議所だからやるんだ、という運動を実践してまいります。山鹿市周辺地域を愛すればこそ見えてくるものがあると思います。自分たちの住むこの地域をみんなで好きになり、自分たちにできることがたとえ小さくても、確実に現状を良くする行動していく覚悟です。地に足を付け、将来に向けて今やれることを仲間と共に一生懸命考え行動をしていく、それこそが、明日の明るい豊かな社会を築く一歩になると信じています。不肖ながら誠心誠意努力し、メンバー一同、『和』を以って力を合わせ、青年会議所って「いいね!」と言って頂けるような団体になることと確信しています。

どうか、この一年一般社団法人山鹿青年会議所をよろしくお願い致します。

 

 
   
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